日本新薬株式会社 様
業務可視化をきっかけに社長直轄の変革組織を新設
個別業務のデジタル化から全社の業務プロセス改革へ
- 【業 種】
製薬企業
- 【所 在 地】
- 京都府京都市
- 【活用用途】
業務可視化によるDX推進
- 【写 真】
写真左より(*はお話を伺った方)
日本新薬株式会社
倉本 篤 様(ビジネスプロセス変革部 専任課長)
浦戸 大輔 様*(DX推進部 デジタルイノベーション課 課長)
辻久 和寛 様(DX推進部 部長)
重野 大介 様*(ビジネスプロセス変革部 主幹 担当部長)
山手 和幸 様(執行役員 ビジネスプロセス変革部 部長)
安田 昭仁 様(ビジネスプロセス変革部 主幹)
ASIMOV-Insight実施前の状況
- 個別業務のIT化は進んでいたが、業務プロセス全体の改革に踏み込めずにいた。
- 部門を横断して業務を棚卸しし、業務プロセスや運用も含めて課題を洗い出すために、外部の専門的な知見を必要としていた。
ASIMOV選定の要件や決め手
- わずか6時間のヒアリングで、専門性の高い複雑な業務を整理し、業務フローや課題を50~60ページの報告書にまとめてもらえること。
- 親しみやすく「分かりやすい」業務フロー図で、現場の理解と協力を得やすいこと。
- 第三者の客観的な視点から課題を抽出し、具体的な改善策の検討につなげられること。
ASIMOV-Insight実施による効果
- 計5回にわたる実施で多様な部門の業務と課題を可視化。最初にコンサル介入をした部署では3~4件の自動化により、年間数百時間の作業工数を削減した。
- 報告書が現場とDX推進部門の「共通言語」となり、そこから抽出したインパクトの大きい課題をトップダウン型のDX推進施策である「DXテーマ」として登録し、推進する取り組みが進んだ。
- 初回の実施を通じて業務プロセスを見直す重要性を再認識し、社長直轄の「ビジネスプロセス変革部」新設につながった。
1919年に京都で創立した日本新薬株式会社様。100年以上の歴史を持ち、医療用医薬品及び機能食品の研究開発・製造・販売を手掛ける企業です。
全社でDXを推進する中、個別業務のデジタル化から、業務プロセス全体の改革へ。その転機の一つとなったのが、ASIMOVの業務可視化サービス「ASIMOV-Insight」でした。導入の背景や計5回の実施を通じて生まれた変化について、ビジネスプロセス変革部の重野大介様、DX推進部の浦戸大輔様に伺いました。
「個別業務のIT化は進むものの、業務プロセス全体の変革には壁」
[ASIMOV ROBOTICS株式会社(以下
)] これまで、どのようにDXを推進されてきましたか?
2021年にデジタルビジョン「Digital for Smiles」を策定し、2022年度にはDX統括部を新設しました。その中に、情報システム部とは別にDX推進部を設け、業務改革を推進する体制を整えました。
DX推進部には、営業、研究開発、食品、サプライチェーン、間接部門など、各部門の業務を経験した担当者が集まり、兼務ではなく専任でDX推進に取り組んでいます。

重野様
体制を整えても、改革が進まない場面があったのでしょうか?
当初は、紙の情報をデジタル化したり、定型業務を自動化したりといった取り組みが中心でした。
こうした活動によって業務の効率化は少しずつ進んでいきましたが、既存の業務をそのままデジタル化するだけでは、抜本的な業務改革にはつながりません。
例えば、人が行っていた作業を自動化すれば、その作業にかかる時間は減らせます。ただ、そもそもその作業が必要なのか、部門間のやり取りや運用を含めて進め方を変えられないのか、という課題は残ります。
担当者ごと、現場ごとの改善だけでは限界があり、真のDXを実現するには、部門を横断して業務を棚卸しし、業務プロセス全体を見直す必要があると感じていました。
業務プロセスの見直しには、着手されていたのですか?
はい。社内でBPR(業務プロセス改革)の研修を行い、業務を無くせないか、まとめられないかといった観点から、各部門の業務の棚卸しや改善に取り組み始めていました。ただ、自力で進めることには限界がありました。
重要なのは、最初から特定のツールやソリューションの導入を前提にしないことです。
「新しいシステムを入れる」ことが目的になると、本当に解決すべき課題を見落としてしまいます。
まずは業務全体を可視化し、業務プロセスそのものや運用も含めて、どこに課題があるのかを洗い出す。そのために専門家の力が必要だと感じていたとき、ASIMOV-Insightと出会いました。

浦戸様
「わずか6時間で専門性の高い業務を可視化 50~60ページの報告書に驚き」
ASIMOV-Insightを知ったきっかけは何でしたか?
当社の役員がDX展示会で、ASIMOV代表の藤森さんによる「経営者のためのDX講座」を聞いたことがきっかけです。役員からは「現場を知っている、地に足の着いた内容で信頼できた」と聞いています。
その講演で業務可視化の重要性とASIMOV-Insightを知り、まさに私たちが必要としていたものだと感じました。まずはトライアルとして、一度実施してみようということになりました。
わずか6時間のヒアリングをベースに、業務を整理し、業務フローや課題を50~60ページものしっかりとした報告書にまとめてもらえる。また、その業務フローの描き方にも特色があり、誰が見てもわかりやすいアイコン等を使った親しみやすいものでした。非常に魅力あるサービスだと感じました。
通常業務を抱える現場に、長時間の対応をお願いするのは簡単ではありません。短時間で質の高いアウトプットが得られることは、現場の負担という点でも大きなメリットでした。
実際にサービスを体験して、いかがでしたか?
率直に言って、あの短時間で、あそこまで詳細に業務を可視化することは、自力ではできないと感じました。
現場の担当者からも、「あの短時間のヒアリングで、どうしてあそこまで詳細な図ができるのだろう」という驚きの声がありました。
製薬業界には独特の業務や専門用語が多くあります。製薬業界の専門家ではないASIMOVの皆さんが、短時間で業務を理解し、整理していく。そのヒアリングと可視化の力に感心しました。
「ASIMOV-Insightで業務プロセス改革の重要性を再認識 」
初回の体験は、社内の体制にも変化をもたらしましたか?
はい。もともと業務プロセス変革(BPR)の必要性は認識していましたが、専門部署を設けるところまでは決まっていませんでした。ASIMOV-Insightを体験し、業務全体を可視化して、プロセスそのものから見直す重要性を改めて実感しました。
そして、業務プロセスの変革に専門的に取り組む組織が必要だと考え、2026年4月に、DX推進部とは別に、社長直轄の「ビジネスプロセス変革部」を新設しました。
社長直轄に設けたことで、どのような効果がありましたか?
会社として業務プロセスの変革に本格的に取り組む姿勢が明確になり、部門を横断した働きかけを進めやすくなりました。個々の業務のデジタル化に加え、業務プロセス全体から改革を進める体制ができたことは、大きな変化です。
新設した組織なので試行錯誤もありますが、DX推進部と連携しながら取り組んでいます。
ヒアリングの進め方も、参考になりましたか?
はい。プロの質問の仕方は非常に参考になりました。何を、どのような順序で聞けば業務を整理できるのか、実際のヒアリングを通じて学べたことも大きかったです。
実施を重ねる中で、私たち自身が対象部門の業務を把握する際にも、その聞き方を参考にするようになりました。
業務フローや課題を整理してもらえるだけでなく、業務を可視化するためのノウハウも社内に残ると感じています。
「計5回の実施で多様な部門へ展開 『分かりやすい業務フロー図』が現場の協力を引き出す 」
対象となる現場には、どのように説明されたのでしょうか?
そうですね。業務改革のためのヒアリングを実施するには、現場の方々に納得していただくことが欠かせません。
でも、いきなり「業務を大きく変えましょう」と言っても、なかなか受け入れてもらえないのも事実です。業務プロセスの見直しを「健康診断」に例え、「一度、現状を見てみませんか?」というアプローチを行い、賛同いただける部署から開始しました。
その点、「皆さんの業務を、このような分かりやすい図に整理してみませんか」と伝えられるのは大きなメリットです。業務フロー図の「分かりやすさ」や「親しみやすさ」が、現場との会話を始めるきっかけになっています。
また、第三者の視点を取り入れることで、現場の方々自身も普段は意識していなかった課題に気付くことがあると説明すると、多くの方にご理解いただけます。
実際に業務改善や自動化につながった事例について教えてください。
最初に取り組んだ部門では、実際に3~4件の自動化に成功し、年間で数百時間の作業工数削減につながりました。
例えば、食品部門における製造指示の効率化では、Excelでやり取りしながら必要原料を算出していた業務を自動化しました。
業務を可視化して課題が明確になったことで、具体的な改善に着手できました。年間数百時間の削減は、可視化を実行につなげた成果の一つだと考えています。
「報告書が現場との共通言語に 見つかった課題を経営層の承認を得てDXテーマへ 」
報告書は、改善を進める際にどのように役立っていますか?
現場と私たちDX推進部門の「共通言語」になっています。
同じ業務フロー図を見ながら「ここが課題ですよね」と確認できるので、認識をそろえやすく、その後の話が非常に進めやすくなりました。
この報告書は視覚的に分かりやすいだけでなく、改善による定量的・定性的な効果も検討できるようになっており、それも議論を進めやすい要因の一つです。
課題が明確になれば、どのような方法で改善するかを一緒に考えられます。RPAやAIが適している業務も見極めやすくなり、適材適所での自動化を検討できます。
実際に業務を変えるには、現場の理解と協力が欠かせません。ASIMOV-Insightを通じて、まず業務を可視化し、課題について共通認識を持つことの重要性を実感しました。

見つかった課題を、会社としてどう改革につなげていますか?
ASIMOV-Insightで抽出された課題をもとに、具体的な「DXテーマ」として登録、推進する取り組みを進めています。
現場の部門と一緒に改善の方向性を検討し、必要な案件は役員会議で承認されると、会社として正式な「DXテーマ」となり、具体的な改革を進められます。
ASIMOV-Insightは、業務改革に着手するきっかけであると同時に、現場の課題を、会社として取り組む改革テーマへと発展させるための重要なツールになっています。
「業務可視化と客観的な課題抽出がDXの第一歩に 何から始めるか迷う企業こそ体験を 」
ASIMOV-Insightは、どのような企業にお勧めですか?
DXを進めるなら、どこかの段階で現状の業務を可視化し、課題を把握する必要があると思います。何から手を付ければよいか分からないのであれば、まず一度、ASIMOV-Insightを体験してみることをお勧めします。
短時間で業務の全体像と課題を整理してもらえますし、その過程から、自分たちで業務を見直すためのノウハウも学べます。
私たちの製薬業界のような専門性の高い業界にも対応していただいているので、業種を問わず活用できるのではないかと思います。
また、部門ごとの縦割りが強い企業にも有効だと思います。
縦割りの組織では、自分たちの部門の業務に意識が向きやすく、他部門とのつながりまで見渡す機会が少なくなりがちです。
業務を可視化すると、自部門だけでは完結しない部分が見えてきます。他部門との情報のやり取りや、業務のつながりにも目を向けることになります。
それが、部門ごとの個別最適から、会社全体の最適化へと進む第一歩になると思います。
第三者の客観的な視点で、課題まで指摘してもらえることも大きなメリットです。
社内では当たり前になっている業務や、属人化した業務、長年の慣習で進め方が固定化している業務ほど、一度、外部の視点で可視化してみる価値があると思います。
「可視化から実行へ 対象部門の拡大と業務改革を担う人財の育成を進める 」
今後、取り組みをどのように広げていきたいですか?
これまでの可視化を通じて、具体的なDXテーマとして進められる案件が出てきました。
今後は、より多くの部門へ対象を広げ、より経営インパクトの大きいDXテーマを増やしていきたいと考えています。
DX推進部とビジネスプロセス変革部が連携し、全社的な視点で、見つかった課題を着実に改革へとつなげていきたいですね。
業務改革を推進する人財の育成については、どのようにお考えですか?
そこも非常に重要な課題だと考えています。
当社のDX推進部には、さまざまな事業部門の経験者が集まっており、業務のことはよく理解している一方、デジタル技術の専門家は多くありません。
業務とデジタル技術の両方を理解し、業務改革を推進できる人財を育てていく必要があります。
業務を理解し、改革を考えられる人財に、デジタル技術を活用する力を加えていきたいと考えています。
部内での研修や新しい技術の活用を通じて、業務改革を進められる人財を育成していきたいと思います。
ASIMOV-Insightで学んだことも活かしながら、自分たちでも業務の可視化に取り組めるようになれば、さらに理想的ですね(笑)。
編集後記
今回、特にうれしかったのは、ASIMOV-Insightを計5回にわたってご利用いただき、可視化を具体的な業務改善や組織の変化につなげてくださっていることです。約2,000名規模の日本新薬様では、部門や業務領域ごとに対象を分け、これまで計5回実施してきました。初回の体験を通じて業務プロセスを見直す重要性を再認識され、社長直轄の変革組織の新設へとつながったお話に、私たちも大きな手応えを感じています。
回を重ねる中で、ヒアリングの進め方を自社の取り組みに活かし、現場と課題を共有して、改革テーマへと育てていかれる。その変化を拝見できたことも印象に残っています。
ASIMOV-Insightが目指すのは、業務を図にするだけで終わらず、課題を明らかにし、お客様自身が改革を進めるための土台をつくることです。日本新薬様のさらなる業務改革に貢献できるよう、引き続き伴走してまいります。
お忙しい中、インタビューにご対応いただいた重野様、浦戸様、そして写真撮影にご協力くださったビジネスプロセス変革部・DX推進部の皆様に、心より感謝申し上げます。撮影のためにテレワークの予定を調整して出社してくださった方もいらっしゃり、皆様の温かいご協力を大変うれしく感じました。
