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Column【経営者のためのDX講座】DX推進!三つの壁の乗り越え方 vol.5

2026年06月01日コラム NEW!

※本コラムは、2026年4月9日に登壇したJapan DX Weekにおける公式カンファレンスをベースに連載しております。

 

前回は、「DXは経営課題そのものであり、経営層の積極的な関与が不可欠である」ことをご説明しました。

ですが、経営者からすると、「DX以外にも経営課題は山ほどあり、そればかりに関わるわけにはいかない」と考える場合も多いかもしれません。

そこで今回は、「なぜ、DXがそれほどまでに重要な経営課題と言えるのか」といったことについて、説明していきます。

 

 

今、まさに歴史の転換期。新しい競争原理への変革の時である。

 

現在、私たちを取り巻く経営環境においてどのような変化が起きているのか、見ていきましょう。

 

■労働環境の変化

一つ目の大きな変化が、「労働環境の変化」です。

「労働人口の急速な減少と高齢化」については、皆さんもご認識の通りかと思いますが、労働市場において、更に見逃せない要因があります。

 

「労働に対する意識の変化」です。

・管理職になることよりワークライフバランスや自己実現を重視するといった価値観の変化
・優秀な人材のベンチャー志向や起業家志向

この変化により、従来であれば若手社員が担っていた定型業務、下積み業務を支える人材の確保が難しくなり、また、硬直化した組織は敬遠されるといったことが起きています。

 

また、「労働の流動性の高まり」も重要な要素です。

終身雇用という言葉が死語になり、転職が当たり前となった社会の変化は、いつ誰が抜けても業務が問題なく遂行できるための仕組み化がより重要となり、属人化といった課題を危機的な要素へと押し上げています。

 

経営者は、このような労働環境の変化を脅威として認識し、変化に対応した組織づくりと企業風土の変革を進めることが迫られているのです。

 

■テクノロジーの急速な進化

もう一つの大きな変化は、「テクノロジーの急速な進化」です。

まず、「進化のスピードが加速度的に速くなっている」ということを認識する必要があります。

そして、テクノロジーの中でも、「RPAやAIといった自動化ツールの進化」が劇的に進んでいるということが、現代の特徴かと思います。

昨日まで出来なかったことが、今日はテクノロジーを使うことで簡単に実現できてしまう世界なのです。

 

参考までに、各テクノロジーの一億ユーザー達成までの期間を比較してみました。

iPhoneで74ヶ月、実に6年以上。
Instagramで30ヶ月、2年半。

これらに対し、Chat GPTは、わずか2ヶ月という驚異的なスピードです。

 

 

そして、このテクノロジーの進化により、「データ活用の重要性」が急激に増しています。

活用の幅も、格段に広がっていますし、リアルタイム性が重視され、ビジネスのスピードが加速しています。

そのため、デジタル化は当然として、「そのデータを有効に活用するために、どのようにデータベース化していくか」といった議論へ、更には、「目に見えないノウハウをデジタルドキュメント化し、活用するという取り組み」へと、取り組むべき課題も変化しています。

このノウハウのデータベース化は、労働市場の流動性という背景と、AIエージェントといったテクノロジーの進化とが組み合わさり、今後、加速していくものと思われます。

 

経営者は、このテクノロジーの急速な進化という環境変化を機会、つまりはビジネスチャンスとして捉えるべく、取り組む必要があります。

特に、中堅・中小企業の経営者こそ、この機会を活かすべきです。

このような変化への対応は、過去の成功体験に縛られがちな大企業と比べ、経営者の強いリーダーシップで迅速に舵を切ることができる中堅・中小企業の方が有利なことがあるからです。

一方で、この機会を活かせない企業にとって、テクノロジーの進化は脅威となってしまうのです。

 

 

このDXという歴史的な転換期を、歴史上の出来事になぞらえて考えてみるとわかりやすいかと思います。

なぜ、最強と謳われた武田の騎馬隊は、織田の足軽部隊に敗れたのか!

武田軍も鉄砲という武器は持っていました。ですが、高価なものでしたので、身分の高い騎馬武者、言ってみれば指揮官クラスにしか与えていなかったのに対し、織田軍は名も無き足軽に持たせました。

鉄砲という新しい武器を従来通りの運用をした武田軍。

それに対し、鉄砲の持つ特性を活かした運用を取り入れた戦い方に変革した織田軍。

つまり、競争のルールが変わったことに気がついたかどうかが勝敗を分けたと言えます。

 

 

DXはデジタル技術の活用という新しい競争原理への変革です。

現状維持は、従来の競争原理にしがみついていることと言えます。

それは、この変化の激しい時代において維持ではなく衰退を意味するのです。

ITは人の仕事を奪いませんが、ITを活用できない企業、人は淘汰されるといっても過言ではないと思っています。

 

いかに、DXが経営者が取り組むべき重要な経営課題であることが、お分かりいただけたのではないかと思います。

 

とはいえ、「今更、ITについて何をどう勉強すればいいのか・・・」と思われた経営者様も多いかと思います。

そこで、次回は、「経営者に必要なITリテラシー」について、解説したいと思います。