※本コラムは、2026年4月9日に登壇したJapan DX Weekにおける公式カンファレンスをベースに連載しております。
前回は、日本のDXを阻む「構造的課題」として、下記の三つを上げました。
・経営層のITリテラシー不足
・部門間の連携不足
・業務プロセスの見直しなきIT導入
まずは、「経営層のITリテラシー不足」について考えてみたいと思います。

日本の経営層のITリテラシーは?〜海外との比較〜
今回も、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2025」のデータをもとに見ていきます。
経営者に対する「デジタル分野についての見識を持っているか?」というアンケートの結果において、米国・ドイツとの比較で少し衝撃的な数字が出ています。

日本の経営者、40%しかデジタルに自信がない!?
この結果によれば、見識を「十分に持っている」「まぁまぁ持っている」とする経営者は、日本では40%です。
正直、個人的には「思ったより高いな」と感じました。ただ、このアンケート結果は、大企業、エンタープライズ企業まで含めたものです。中堅・中小企業の現場感覚からすると、もっと少ないのではないか、というのが実感です。
一方、米国は78%、ドイツは74%!
レベルが違います。
思った以上に、時代の変化は早いのだと、痛感しました。
さらに深刻なのは「苦手意識」の差
そして、危機的なのは、見識を「あまり持っていない」「持っていない」とする経営者は、米国、ドイツでは1割もいないのに対し、日本はなんと36%です。
つまり、3人に一人以上が、「自分はITが苦手」と答えているわけです。
しかも、これは先ほども申し上げましたが、エンタープライズ企業む含めての結果です。
ただし、この数字はアンケートの結果なので、苦手かどうかは主観的なものです。
よく言われる話ですが、日本人は、英語がペラペラじゃないと「英語が話せます」とは言いませんが、アメリカ人は「フジヤマ、サクラ、日本語喋れます!」と答えたりします。
今回の結果にも、同じような自己評価の文化差が影響している可能性があると思っています。
本質的な問題は、「ITリテラシーの低さ」ではない
とはいえ、私は、「日本の経営層が、諸外国と比べ、本当にITリテラシーが低いかどうか」は、本質的な問題ではないと思っています。
本当に、問題視しなければならないのは、苦手意識から「関わらない」「誰かに任せる」という姿勢になっていないか?という点なのです。
なぜなら、今やDX戦略は「経営課題そのもの」であり、経営層の積極的な関与が不可欠だからです。

コンサルの現場で、「DX推進がうまくいかない会社の特徴ってありますか?」と聞かれることがあります。
うまくいく会社の要因は様々ですが、うまくいかない会社に間違いなく共通するのは、「経営層の無関心」もしくは「理解不足」です。
私たちはDX推進のプロですので大抵のことは何とかできますが、経営層のマインドセット、特に、「無関心」な企業の場合は、正直かなり苦戦します・・・
次回は、「そもそもDXとは何か?」「なぜ、経営層の関与が必要不可欠なのか」といったところを、改めて整理していきます。


